うつわは生きもの


先日上野の個展に二日間在廊していました。今回もいろんなお客様がお見えになりました。 いつもは山に引きこもって制作に没頭しているので、人とお会いする機会はこういう時しかありません。普段はいろいろ考えず、ただ、ただ、自分のその日の気持ちに任せて淡々と器を作っています。だれの為に、とか、敢えてこういう食事の為に、とか一定のこだわりを持たずに器を作っています。

展示会に来られる方々のライフスタイルは個々、それぞれだとおもいます。器の好みや食事のスタイルも違って当然だとおもいます。一人ひとりがじっくり吟味して自分のライフスタイルに合った器を選んでいらっしゃる姿を見ると、この器たちがよその家でどういう風に使われていくのだろう、と気にはなりますが、こういう風に使って欲しいとかは強要したくありません。そもそも使い方にルールのない器なのですから。色んな活用法があって、それを人それぞれが多いに楽しんでいただければ、という気持ちでいます。

展示会はドライな言い方をすれば、器を売る場所、または買う場所なのですが、そんな中でも幾度かお付き合いを重ねていくと、人の人生のドラマを垣間見ることもあります。消えるいのち、生まれるいのち。人間として生きていく中で当たり前だと思っている自然のサイクルではあるけれど、命は有限、生活は有動。自分の作った器がいろんな人たちの生活の中で息をしていて、その人たちの笑顔に混じったり、悲しみに寄り添っていたり、、、花子さんの器から元気をもらっています、とか、生活が楽しく豊かな気持ちになりました、または、亡くなったパートナーの供養に花子さんの器を使いたいとおもいました、とか言われると、脈拍がドクン、と波打つような感情を覚えます。私自身がそこにいなくても、器を通して共感できる何かが存在していた、と。陶芸家として、自分の好き勝手に器を作る喜びもあるのですが、やはり、自分の器が人々の生活の中で、器以上の何かの役に立ったという喜びはこの仕事をしていて良かったと思う充実感に繋がります。

「使い勝手が良い」とか、「造形の美しさ」とか、器の「機能」だけを考えるのであれば、機械で作ったものでも役目は果たせる。けれど、人間の手で作ったものには必ず、そこに命が宿っているものだとおもいます。自分自身がちゃんとしたまともな人間でないと、器に移るエネルギーも気持ちよく残らならないと思うので、健康な心でいなければと改めて気を引き締める二日間でした。 今後とも、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。そして、どうぞ皆様お元気で。

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